Chako

2020年4月24日2 分

コロナウィルスとフィンテックへのベンチャー投資

コロナウィルスの影響で米国でも日本でもすでに様々な企業への不況の影響が出始めていますが、ベンチャー投資もこういった不況時にもちろん減少する傾向があります。

Photo by Austin Distel on Unsplash

レーマン危機では28%減少

米国のベンチャー投資データベース、ピッチブックによれば、10年前のレーマン危機の不況の際には、米国のベンチャー投資は2007年のピーク時の380億ドルから2009年の270億ドルへ、28%減少しました。

今回のコロナ不況では、2019年のベンチャーキャピタル投資規模は1,360億ドルだったのですが同じような規模の縮小が起こるとすると、ベンチャー投資業界として約390億ドルの縮小がある可能性があり、これは縮小幅として2007年のVC投資市場全体の規模よりも大きくなります。

ただし、レーマン不況時には、ディール全体のサイズはかなり縮小しましたが、投資件数はあまり変わっておらず、ベンチャー投資家のアクティビティーはそれほど減らずにおそらくもっとアーリーステージの小さめの投資に移ったとされています。

フィンテックセクター

それでは、フィンテック・ベンチャーの資金調達状況はどうでしょうか。

調査会社Forrester Researchのレポートによると、フィンテックの資金調達はコロナの影響で2020年の第1四半期すなわち1月から3月までで既に縮小傾向が見られるということです。

世界全体のフィンテックの資金調達額は今年第一四半期に57億8000万ドルで、これは昨年の第4四半期の77億7000万ドルから、また第3四半期の125億9500万ドルから比べかなりすでに減少しています。資金調達額としては昨年末ごろにすでに減少傾向にあったのですがコロナの危機でいちどに打撃を受けています。

全体として投資家が慎重になっているため、レートステージで比較的安全、またすでにたくさんベンチャーが出て乱立気味のセクターに投資が集中している傾向があるということです。

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