Chako

2017年8月4日2 分

「若者向けローン」の「フィンテックベンチャー」へのギモン

先日のブログにも書いたのですが、AIを使用した米国のフィンテック企業の中で、AIにより様々なデータを解析し、ローンのための与信判断に使っているベンチャーが多数あります。有名なところでは20億ドル(約2,200億円)の評価額で「ユニコーン」の仲間入りをしているAvant等。


 

 

 
米国の個人向け与信判断で一番参考にされる「信用力スコア」は既に、ビッグデータ・アルゴリズム化されている。よって人工知能を取り入れるのにとりつきやすい分野かと思います。
 

 

 
一方、それによって「秒速で個人へローン判断が出来る」という例で、しっくりこないところもあるのです。こういったベンチャーはミレニアル世代と呼ばれる若者層(1980年代以降生まれ)をターゲットとしており、それは良いのだが与信判断の例として、例えばこの記事のケース:

  1. 勤務歴10年、信用力スコア良好、年収15万ドル(約1700万円)の若者がこのセクターのベンチャーの1社、ピア・ツー・ピア(P2P)ローンのUpstartの中古車ローン審査に応募。結果はすぐにウェブ上ででて、3年ローンの場合年率13.5%で借りることが可能。


 

 
ところで上記の前提なのだが、「あれ?」と思いませんか?新車ならディーラーからのリースや融資で買えるので中古車のローン、なのは良いとして、勤務歴10年、年収1700万円でなぜ、中古車を買うのに借金しなければいけないのか。毎年、収入の5%でも貯金しておけば新車だって楽々、現金で買えるではないか。
 

 

 
上記のケースは「例」なのですが、同社の発表によるとローンの借り手の平均年収は約1000万円。これが、住宅購入資金のローンならわかるのだがそういった「資産購入」を伴わない借金を、なぜ二桁の利息を払って借りなければならないのか。
 

 

 
君たち、こんな「人工知能フィンテック」にかかわってる間にちまちまと貯金しておいた方が良いんだよ。
 

 

 
という、「若者向け」「フィンテック」「人工知能」と、流行りの言葉が並んで市場受けしているベンチャーだけど、ファイナンスの基本としてはまったくしっくりこないなあ(なので、本当に将来、こういったベンチャーが伸びるの?)、と言う疑問がいっぱいなのでした。
 

 

 

 

 

    0