Chako

2020年2月25日3 分

金融DXの5段階

最終更新: 2020年2月27日

っていうか、実は特に金融に限らないのだが、最近のポッドキャスト「Banking Transformed」のエピソードのうちDXの5段階、と言う解説が面白かったのでまとめてみました。

(ポッドキャストは上記リンクから聞けますがこのDX5段階の部分は5分~10分目くらいの間)

Podcastのゲストは「Why Digital Transformations Fail」の著者のTony Saldanha氏

以下がDXの5段階です。

第一段階は単純に、業務の一部のオートメーション化である。例えば例えば、内部の会計システムをSAPなどのソフトを入れて自動化するなどがこれにあたる。

この段階を大抵の人はDXと思っているきらいがあるがこれはそうではなく単純なオートメーションである。

2番目を氏は「サイロ(穀物貯蔵などに使う円筒型の倉庫です)と言っているがこれはひとつの部門、または多国籍企業であれば1つの国などを非常にディスラプティブな新しいテクノロジーを取り入れて変革すること。

サイロ Photo by Julian Schöll on Unsplash

例えば金融においては部門間の資金移動にブロックチェーンを取り入れる、などがこれにあたる。

ここで重要なのは一部分だけの変更だが、その部門においては10%位ではなくて5割または9割ほどの変化を起こすことである。

第3の段階がそういった部分的に起こした変化をいくつかの部門間で共有する、シンクロナイズすると言う段階。ジェネラルエレクトリックの例などが出ているが、会社全体が大きいために新規の破壊的なテクノロジーやビジネスモデルを全社に取り入れる事は無理で部分的にシンクロナイズしている。

第4段階がこういった新しいデジタライゼーションの取り入れが、全社のほとんどの部門間で共通して取り入れられる事。

これでDXは終了、充分であると思いがちだが、そうでは無い。この段階で止まってしまえば新しい技術やモデルが出るたびにそれにディスラプト(破壊)とされることになる。例としてMapquest(マップクエスト)が挙げられている。Mapquestは25年前の段階で他にネット上に地図がなかった時は革新的なサービスであったが、その後GPS等でこれが当たり前になり今ではほとんど使われていない。

それを克服する第5の段階、最終段階を、「リビングDNA(生きているDNA)」と呼んでいるが、会社全体のDNAが、既存のビジネスモデルを破壊を繰り返し新しいものにしていく。これが1度の出来事ではなくて継続的に行われると言うことである。

ここで例として挙げられているのがビデオ配信のNetflixの例

ご存知の方も多いと思いますが、同社はもともとはDVDを郵送で送るサービスだった。その後、郵送以外にストリーミングサービスを始め、さらに独自のコンテンツ制作によりハリウッドのような映像制作の仲間入りをし、さらに近年では外国の映画やテレビ番組を含む国際コンテンツのストリーミングを行っている。

同社はこの20年ほどの間に、こういった何回ものディスラプションを遂げ遂げているわけである。


ところで現在、世界の企業で具体的にDXのプログラムがある企業がどのあたりのステージかと言うと第二段階からせいぜい、第3段階の間というのがほとんどだそうです。ただそれでも、DXのプログラムを実際に持ち実行しているだけでごく1部の限られた企業だと言うことでした。

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