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  • chako2

36年の関係に終止符!

更新日:2020年10月27日

昨日、あるクレジットカードを解約しました。





カリフォルニアから日本のコールセンターにかけ、解約をお願いしたのですが非常に丁寧に対応していただき、最後に長い間ありがとうございました、と言われました。


なんだかとっても感慨深かったです。


クレカの解約ごときでなんで感慨深い?と言われるかもしれませんが、この「長い間」というのが実は、36年間なんです。


大学の卒業旅行で


クレカは「地球の歩き方」、という人気旅行ガイド本と連携したカードで、なんと私が大学卒業の際、卒業旅行に持っていくために加入したものです。


それから卒業、就職、退職、渡米、大学院留学、ニューヨーク、カリフォルニア、結婚、出産、独立事業と人生のかなり長い間、ひっそり持ち続けた日本のクレカ。


よくも36年そのまま持っていたと思われるかもしれませんが、いちどアメリカに移住してしまうと日本のカードを取りづらくなるし、年会費も高くないのでまぁいいか、と保有し続けたわけです。


それをどうして今回解約したか。


1番の理由は、不安、心配が増えてきたからです。


特にこのクレカや発行銀行さんが不安だというわけではなくて、クレカの使用情報がリアルタイムでわかりにくいため。


ドコモ問題


特に、先月のドコモ問題を目にして、しかもよく読むと、問題はドコモだけではなくて支払い連携した複数の銀行とのつながりに問題あるような感じ。しかも、どこで不正情報が入手されたかがはっきりしていないようですね。


米国では、絶対に不正使用されない、は理想だけれども現実的ではないかもという前提、で、もし不正使用されても即座にわかる、ということも重要視されています。


カード使用がわかるだけでなく、自分の信用履歴(クレジットスコア)も頻繁にモニターできて、もし誰かが自分の名前をかたって大量に借金をしたりしたらスコアが変わるので、そこからもわかるというわけです。


それに対して今回解約したクレカは、自分がどれだけ使ったか、また残高等を確認するのに非常にめんどちぃのです。


まず銀行のサイトにログインしそこからクレジットカードを選び、さらにクレカのサイトにログインする。


そこから使用履歴をクリックし、見たい月を特定してクリック、やっと画面で利用履歴が見えるようになります。


ひと月に一度なら良いかも知れないが、不正利用のモニターには月一度では不安。しかもいくつもクレカを口座を持っていると一つ一つこのログインをしてチェックするのがなかなか手間がかかる。


それに比べると、最近申し込んだ楽天・JCBさんのデビットカードは使うたびにメールの確認が来るので、それはそれでメールが増えて多少うざったいところはありますが、安心感があります。


安心感の必要性


アメリカの日常生活ではこの辺がどうなっているかと言うと、やはり銀行口座、証券口座、クレカなどあわせて10以上の金融口座をいちいちチェックするのはなかなか面倒です。


でも個人用会計ソフトの「Quicken」どの口座も連動してあり自動ダウンロードできるようになっているので、1日に一度、ワンクリックでダウンロードすればすべての口座の使用・残高情報が出てきます。


(ただしこれは米国だからQuickenを使っているだけでこの手のサービスは既に日本でもあり、私が使っていないだけかもしれません。)


また、比較的金額の多い買い物ができてしまうクレカに関しては、50ドル、(約5000円)以上の買い物をした時、またオンラインなどで買い物がされたときはすぐにテキストメールが入ってくるよう指定してあり、この点も、誰かが不正使用したらすぐにわかる、と言う安心感があります。(ダンナがどっかで50ドル以上の買い物したときもすぐにわかる。笑)


またこれはクレカの発行銀行によりますが、かなり高度なAIを使っており、不規則な決済、つまり私がサンフランシスコに住んでいるのにいきなりテキサスで誰かが買い物した、などと言うときはショッピングの承認前にすぐにテキストが飛んでくることもあります。


このようにかなりセキュリティが進んだ米国のカード業界ですが、それでも最近Squareの新サービス、CashAppで不正があったように、不正を100%防ぐのはなかなか難しい。


それではやはりモニターするしかないのではないか。


フィンテックの出番?


個人的には、昨年末にVisaよる巨額の買収で話題を呼んだPlaidなどのフィンテックアプリで銀行口座を比較的簡単に、しかも安全につながるシステムの普及によって、かなりユーザビリティーとセキュリティーも上がるのではないかと思っています。


残念ながら先月あった会議でPlaidの方に日本への進出予定を聞いたところ、今のところないと言っていましたが、決済関係に詳しいIIBAの射場社長によると、Visaによる買収によって一気に国際展開を加速するベンチャーが多いと言うことなので、Plaidがアジア方面に出る日も遠くないかもしれません。



【追記】

マネーフォワードFintech研究所所長の瀧さんより、Plaidが日本進出しない理由についてコメントいただきました。


「米国と比較すると日本の場合、APIが整備されているので、銀行側の課題は少なく、ベンチャーのエコシステム形成が待たれている段階」


とのことです。


有り難うございました!





著者について

 

 

在米30+年、サンフランシスコ近郊在住の金融戦略コンサルタント。主に日本の金融業向けに米国フィンテック事情・フィンテック・ベンチャーを参考とした金融イノベーション戦略、ベンチャー提携サポートを提供。

証券・銀行・投資業務・フィンテック・ベンチャー参加を経て独立。

東京外国語大学卒業、スタンフォード大学MBA。

 

ダイエットに苦戦中。

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