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執筆者の写真Chako

スタートアップのエコシステムを作るには

更新日:2018年11月14日


シリコンバレーでは数々のスタートアップを輩出し、それが大きなベンチャー企業・テクノロジー大企業へと成長するのに成功しているため、米国の他の地域のみでなく世界中のいろいろな地域でシリコンバレーにならったベンチャー育成のエコシステムを作る試みがなされています。


では、どうやってエコシステムを作るのか、エコシステムを作り上げる条件は何か。これについて、シリコンバレーのベテランで、またシリコンバレーだけではなく世界中のいろいろなベンチャー企業育成を手伝っている2人の著者によるDecoding Silicon Valleyという本から、ベンチャー育成のエコシステムの条件と言うことで以下の6つの条件が挙げられています:

  1. それぞれの地域で成長し、成功することができる様な企業について大胆に、実際的に判断すること(地域によって業態・業界に向き不向きがある)

  2. 経験豊富な起業家と経営陣の存在

  3. 起業家のための有能な指導者と教育プログラムを持つコミュニティによる支援

  4. 失敗ではなく成功に焦点を当てた「できる!」というポジティブな姿勢

  5. 実験と繰り返しが許される文化

  6. 法人や政府機関などの重要な顧客

日本の現状で言うと、一番のアドバンテージが6番目、世界有数の成熟した市場、法人顧客の存在。逆に、4と5が良く、スタートアップの育成には妨げになる、リスクを取らない文化、と言われますね。


ところで、意外なのはベンチャーキャピタル、ベンチャー投資家がこの条件に入っていないこと。著者はその理由をこのように述べています。


「ベンチャー投資家の存在は歴史的にはシリコンバレーで非常に大きな存在でしたが、現在ではそれはスタートアップにとって1番大きなハンドルハードルではありません。何故かと言えば特にソフトウェア系の会社の場合は20年前に比べて大きな投資を受ける前に顧客を見つけ製品を作ることが比較的簡単になっているから。」




(原文:)

  1. Audacious pragmatism about what can grow and succeed in your region

  2. Experienced entrepreneurs and qualified senior management

  3. A supportive community, with qualified mentors and educational programs for entrepreneurs

  4. A “can do” attitude that focuses on success, not failure

  5. A culture that provides permission to experiment and iterate

  6. A critical mass of customers, such as corporations and government entities


#シリコンバレー #エコシステム #ベンチャー

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著者について

 

 

在米30+年、サンフランシスコ近郊在住の金融戦略コンサルタント。主に日本の金融業向けに米国フィンテック事情・フィンテック・ベンチャーを参考とした金融イノベーション戦略、ベンチャー提携サポートを提供。

証券・銀行・投資業務・フィンテック・ベンチャー参加を経て独立。

東京外国語大学卒業、スタンフォード大学MBA。

 

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