Finovate Fall、一日目のデモまとめ
今週はサンクスギビングの木曜の前まで三日間、Finovate Westでのフィンテック・スタートアップのデモを視聴しています。
例年春にサンフランシスコで行われるFinovate Westですが、今年はもちろんオンライン。
今日、初日でいくつか印象に残ったスタートアップのデモを軽く紹介します。
初日のデモで目についたのは9月のFinovate Fallでも発表した常連的なスタートアップが多かったです。
Monit
モニットは中小企業と取引金融機関を結ぶビジネスインテリジェンスツール。
米国の中小企業はQuickBooksのソフトウェアを使い会計処理をしているケースが多いですが、そのクイックブックスと取引先の金融機関をつなぎ、中小企業側には財務状況の見える化、予算の立て方、それからキャッシュフロー予想などが簡単にできる。
また取引先メインバンク側にはそれに応じて融資やクレジットラインなどの金融商品の提供をプロアクティブにできると言うもの。
Glia
Gliaは2019年春のリアルでのFinovate、それから9月のFinovate Fallでもデモを見た常連。さすがに商品もデモも洗練されている印象を受けました。
パーソナライズ・デジタル化された対顧客対応ソリューションですが、現在特に「PACE」という標語を前面に打ち出しています。
P: パーソナライズ
A:Automation 自動化
C:Contextualize 場面に応じて
E:Educate 顧客教育
Personalize
Automate
ウェブページに訪れた顧客・顧客候補に対しできるだけ、その個人が求めているものを最短のUIで提供しようというシステムで、デモを見るとかなり感覚的にわかります。
Ninth Wave
Ninth Waveは金融データのサプライチェーンと銘打っており、今特に金融業界で重要視されているデータの連携を金融機関とフィンテックのアプリの間でシームレスにつなげるためのプラットフォーム。
短いデモではちょっと分かりにくかったのですが、金融機関とアプリの初期の連携(フィンテックの新規顧客がフィンテック新口座と自身の取引先銀行口座を連携させる)ではPlaidが急成長したことに続き、最初の認証の後の部分のデータ連携処理をするところに注力しており、今まで見たことがないケースかと思いました。
Linqto
Linqtoは5年ほど前から何度もビジネスモデルを変えつつ発展してきたスタートアップ企業で、その当時から創業者のビル・サリスさんを存じ上げているのですが、かなりの粘り強さでビジネスモデルを変え、現在は未公開株式の流通をごく簡単にスマホから行えると言うプラットフォーム・取引所を作っています。
プライベート・エクイティは巨大な市場だが、投資資格のある個人投資家のうち2%しか参加できていない(いわゆるエンジェル投資家ですね)。すなわち98%の顧客候補は参加できていない市場、ということに焦点を当て小口投資家にもスピーディーに比較的簡単な方法でPE投資を提供できるとのことでした。
なおLinqtoは「パートナー・モデル」をとっており、既存金融機関との連携により金融機関の顧客にPE取引を提供。なのでパートナーに興味があれば連絡を取ってほしいとのことでした。info@linqto.com
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