Chako
大企業とスタートアップの提携
シリコンバレーに来てベンチャー(スタートアップ)に色々会うことには2つ目的があり、一つはトレンドから新規事業アイデアなどを探ること、2つめはスタートアップと提携することだと思う。この、2つめの提携についてこれから少し考えていきたい。
こちらのフォーブスジャパンの記事では大企業とスタートアップの連携においては8つの手法がありそれぞれ、大企業側の目的によるおすすめのパターンを書いてある。これはアメリカの大手ベンチャーキャピタルの500からとのこと(同社はどちらかと言うと普通のVCというよりインキュベーター、アクセレレーターと言う位置づけでの方が多いのではないかと思うけど)。
この表を見てあれっと思ったのはイベントからM&Aにかかるまでかなり大掛かりな提携フォーマットがいろいろあるのだが、長年こういった提携を見ていておそらく1番成功する、特にスタートアップ側にありがたがられる提携の入り口、業務提携というのが全く入っていないことである。ひょっとしたらサポートサービスやスタートアッププログラムに入っているのかもしれないけれども、そういった大掛かりなプログラムを立ち上げなくてもスタートアップが大企業と提携して非常に双方が有利になる方法があり、これが業務提携である。
業務提携においては共同開発・ライセンシングなども含めていろいろな手段があるけれども、まず1番、通常のビジネスの続きとしてやりやすいのは、お客になること、要するに普通の取引関係である。これはスタートアップにとっては1番ありがたいところで、特に評判のある大企業が初期の顧客としてついていればベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達はしやすい。逆に、VC投資額が一桁上がってしまった今、シリーズAラウンドであっても顧客のいないスタートアップでは資金調達がしにくい。
今現在、VC資金は余り気味なので下手にCVCなど提携企業から資金調達して創業期の貴重な株式を渡すよりは、顧客になってもらってVCから資金調達出来る状態にしておいた方がいいわけである。
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