金銭の投資と自己投資

どうやってお金を貯め、増やすか。これは多分、大多数の人が興味のある永遠の課題だと思うが、答えは一つではない。

こちらの記事ではどうやって100ドルを100万ドル（約1億円）に増やすかと言うことを、実際に百万ドル長者になった9人からのヒントが出ている。まさに9人9様であるが、大きく分けるとコツコツ貯蓄貯蓄していくか自分で事業を始めるか、証券に投資するか、それとも自己投資するかである。

大前提としては貯める元になる資金が必要で、まず稼いでいるお金を全部使ってしまったら始まらない。

若いうちからコツコツと貯蓄してお金が貯まると言う方法は確実だが、これは時代によっても違う。私の両親、は昭和一桁生まれだが、教職者でコツコツと貯めていたが、老後はあまり心配しなくていい位の貯蓄ができた。ただこれは、こつこつと貯めただけではなくて1970年代から80年台の利息が極めて高く、確か子供の頃の記憶では郵便貯金でも7%ぐらいついていたのではないかと思う。約7%の利子と言うと複利で大体10年間で倍になるのでこれは貯蓄しておいても増えると言うわけである。

一方現在、ほとんどゼロ利子の時代ではそうはいかない。貯蓄して寝かせておいてもインフレによって目減りしてしまうだけで、基本的に投資しない貯蓄と言うのは確実にお金が減る手段でしかない。

ではそれでは株で一攫千金あてればいいかというとそれは大概の場合、リスクが高い割に長期にわたって成功し続けることは少ない。正解はいくつかのセグメントのインデックスなどに分散しておくことだと思われる。

ただ投資アドバイザーからのなどからの正解はそうなのだが、それでは若い人が一生懸命働いて投資だけしていればいいかと言うと、もう一つの大きな選択がある。それはお金を金融商品に投資するかまたは自分に投資するかと言うことである。この記事の「成功者」のうちでも何名かは、講座を取ってもっと給料が上がるようなスキルを見につける、本を読む、等のいろいろな勉強の手段を、金銭上でなく自己投資として上げている。

また成功したビジネスパーソンなどでも書籍代に少なくとも月10,000円は使うようにと勧める人もいる。

この自己投資を何に向けるかと言うのは、仕事や人生の場面によるのではないかと、自分のキャリアを振り返ってみて思う。

大きく分けて、自分の今の仕事をしていくことがこの先のやりたいこと、キャリア向上に直線的に結びつくのであれば、特に若い独身のうち（若くなくても独身でなくてもまあ良いのだが）例えば子供がいる、家庭があるなどの制約がない場合には多少の残業をしてでも今の仕事のスキルをどんどん身に付けて、仕事を通じていかに効率的にアウトプットを増やすか、等を身につけていくのも良い方法だと思う。

一方、今の仕事と将来自分がやりたい事がかなりかけ離れているときは、残業をせずにさっさと定時で仕事を終え、余暇を次のキャリアにステップアップするための自己投資の時間として抑えることがすごく大事なのではないかと思う。

自分の例でいくと20代前半の時に東京の外資系の銀行で働いていたのだがその時の職種は、アドミニストレーティブアシスタント、つまり秘書的なサポート業務で、この先ずっとそれを繰り返していくつもりはなかったのでさっさと5時に定時退社し、夕方の1～2時間をビジネススクールの受験準備と勉強にあてていた。それが、その後スタンフォードに留学しMBAを取る大きな原因となった。

このようにいろいろな専門家、それから成功した人の意見もいろいろ分かれるのでどれが自分の現在の状況、またはこの先のプランにとって1番最高参考になるかと言う判断をすることが大事なのではないかと、この記事を読んで思ったところである。

ちなみに「自己投資」の本は山ほどありますが、一寸エキセントリックなところではJames AltucherのChoose Yourself!というのが読んでいて楽しかったです。