【リモートワーク】リモートの利点を生かす
更新日：2020年5月8日
今回、新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が出たため、急遽、社員の全員・又は一部を自宅からのリモートワークに変えた企業も多いと思います。リモートワークについては米国では今世紀の初頭辺りから取り入れている企業も多くノウハウも進んでいると思いますので気づいたことを暫くブログに書き留めていこうと思います。
今回、日本でのリモートワークの記事をいくつか見ていて思うのですが、よくあるのが、オフィスでの仕事が理想、リモートワークに切り替える場合できればオフィスワークをそのまま場所を変えて、オフィスに近い状態を実現できるのがいい、と言う前提があるようです。
率直に言ってリモートワークでは、なるべくオフィスの状態に近づけると言うような発想だとうまくいかないと思います。
他業界の例では、例えば銀行のデジタル化は、「支店でやっている業務をデジタルで代替」という発想が日本だけでなく欧米でも多いですが、それでは上手くいかない。もとから支店も建物もなく、オンラインとモバイルだけある前提でどういう金融サービスが提供できるか、を一から考えようというのが例えば、ベストセラーである「BANK 4.0 未来の銀行」の主張です。
同様の発想がリモートワークにもあてはまるのではないか。
リモートワークには、通勤時間が省けるという以外にも色々な利点があります。
一つの大きな利点は、集中して仕事をこなす時間を確保できるということです。
ほとんどの仕事は当然、邪魔が入らずに集中できたほうが楽、これは例えば自宅で仕事をしていてお子さんが頻繁に呼びに来たりで仕事を中断しなければいけないと言う状態を考えれば、能率が落ちるのは想像できると思います。
ところがオフィスでは、いつでも何か質問があればすぐに同僚に聞けた方が良いと言う発想でできているリモートワークのソフトもあり、蒸気の能率向上が無視されています。つまり自宅で子供に邪魔されるのは困っても、職場で同僚がいきなり割り込んで質問をしてきて自分の仕事が途中で中断されるのは良い、とされています。この「割り込み・相談」が常に出来ること、を優先させているコラボソフトもある位です。これはとても残念です。
タスクを途中で中断されると、続きに戻るのに少なくとも15分かかると言われます。1日中、頻繁に中断を繰り返していれば、一環した作業を完成させるのはなかなか難しい。でもそれが日本の普通のオフィスの状態と言うことが多いです。なので、「まとまった仕事は」オフィスでも早朝、深夜にする、という人も多く残業も増える結果になります。
この「早朝」「深夜」の集中できる状態を昼間に作ることが出来るのがリモートワークの一つの可能性なので、それを同僚が「いつでも聞ける、相談できる」ことを優先し、「聞かれる･相談される」受け手側の作業効率は無視する、という慣習を変えられるチャンスでもあるわけです。
もちろん、例えばトレーナーの立場など、他人から聞かれて答えるのそのものが仕事と言う場合もありますので、この場合一概に言えませんが、そういった職種だけ例外を作って、常にオープンにしておけば良いことです。
でも企画書をまとめる、新事業を考える、そのたクリエイティブな作業全般の集中を必要とする業務の場合、例えば1日に２回、一時間位を「オフィスアワー」として他の人が割り込む、相談しても良い時間を作る（その時間、当人は「雑用処理時間」に割り当てれば中断されてもそれほど支障は無い）。そういった取り組みで、リモートのに利点をぐっと大きく引き出すことができます。
そうしないと今の、誰でも同僚にいつでも聞けることが利点と言うシステムのままでは、聞く側の、瞬間に答えが得られると言う利益ばかり優先し、聞かれる方の側の仕事を途中で中断されてしまって1日がバラバラになると言う不便さは全く無視されているのです。これではリモートの利点なしに、欠点ばかり残す結果になってしまいます。
今回、コロナで急にリモートワークに変えた企業に突然完璧にしろ、というのも無理ですがこの機会に「働き方」と共に考えていきたいところです。
